ラ マティエール (La Matiere)

★★★★         2013. 6
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公式ページは こちら

最近ドはまりなフレンチの1軒。
ちょっと都内からは遠いのでどうしてもそんなに回数いけませんが、それでも精一杯行きたいと思っております。
そう思わせるパワーがこちらにはあります。

さらに今回は、是非知人にもこの味わいを堪能してほしい、、気に入るかはわからないが。。。という趣旨で。
シェフも少人数の我々のために貸切にしていただいて、渾身の料理を供していただけました。

以前にも増して品数は増え、さらには手間隙は以前の倍はかかっているのでは? という状況は申し訳ない限りです。
これがお誘いした知人にも伝わってくれるとよいのですが・・・ こればっかりは好みの問題もあり。

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まずは温かいハーブティーをいただくのですが、初夏ということもあり、どうかな??と。
これが結構はまります。 人肌よりちょっと温かい程度の温度がほっとさせてくれます。

泡によるシャキッというのも悪くはありませんが、心地よさという点ではこれに勝るものはありません。

そして、今回は 肝臓の働きを助けるというピンク色のハーブティー。はていったいなんでしょうか?
ウコンは黄色いですが・・・実際頂いてみるとほんのりとした甘さと苦み。 



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最初の泡はここから。

Champagne Jean casters blanc de blanc

シャンパーニュは旨味強く、ブランドブランですっきりと。

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というわけで、はじまりは卵から・・・・といういつもの説明に、、って何の卵じゃい? というレベルでいきなりスタートダッシュ!

GVキャビア・ドーベルジーヌ&マティーニ(Bruga in Russia)

キャビアはナスとともにアミューズとして供されましたが、うなります♪

一仕事されたナスの、、いやもっと手間かかってますが、いい相性で。
生姜でGVかけたあとにピューレにしたのだったかな?

キャビアもスターレットというチョウザメではもっとも小型の種類のもので、 この50年輸出(@イギリス)が禁止されていたものを養殖が開始されて最近口にできるようになったというもの。

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基本的には最初にはシャンパーニュとともに楽しみますが、これが嫌な風味も出ず。
何かがうまくつないでくれるのでしょうか?

そして、後半からはベルーガというウォッカを使ったマティーニが供されます。

このマティーニはレモンとディルを使っているそうですが、これがまたうまいんだ。  ご覧のようにウオッカはきっちり冷凍庫で冷やしてあります。

いやいやすばらしい味わいです。 塩分強すぎず、風味豊かでなにかが突出するわけではなくするっと。 ナスもしっかりいい仕事をしているし、、

加熱させたナスの旨味と甘味、そして炭化させた皮が香ばしさをほんのりと、かすかな旨みは利尻昆布とおっしゃったでしょうか?
GVにかけた生姜も臭み消しという意味が多いのでしょうが、これだけの食材やアクセントを入れ込みつつ渾然一体として、
何も聞かないでいただくと、するっと「すごく美味しい」で終わってしまう、、そんなバランスの整った一皿です。


最初のアミューズにこれだけの手間をかけるという「尋常ならざるコース」の始まりです。
後半はかなりアバウトな記述になってしまいますが、お許しください。
一事が万事です。 恐ろしいことにこの調子で最後まで突っ走ります。 おそらく作るのは尋常ではないと思います。

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教えていただいたところ、こちらのキャビアはMOTTRA社のもので、本社はバルト三国のラトビアにあり、公式サイトから一部抜粋しながら書くと
ヨーロッパ最大級の規模を誇る循環養殖場において排卵からチョウザメを育成し、殺すことなくキャビアを生産しているようです。
なお防腐剤や化学薬品等を一切使用しておらず、生のまま2.5%〜3.5%の塩分を添加飲みの加工を行っているようで、真空状態の自然保存で販売されているようです。

さらに今回の STERLET(スターレット) は、かつてはロシア皇帝やヨーロッパ諸国の貴族や時の権力者達に「オセトラ」や「ベルーガ」よりも愛され、好んで食されてきたもので、
長年(50年間)市場に出回ることの無かった、世界一小さいチョウザメから取れるというキャビアだそうです。


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こちらがそのウオッカ。 また名前がいいですね。 その名前はベルーガ(Beluga)。
その名前に恥じずにウオッカの高級品の代名詞となっているようで、キャビアを食するために醸造されたものとのこと。

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Lugana Zenato 2010

なかなか美味しいワイン。 ちょっと薄く塩分を感じるのは気のせいでしょうか? 海の畑というかミネラル昆布みたいな。


ちょっと検索してみると、 ルガーナはロンバルディア州とヴェネト州のちょうど境にあるガルダ湖のふもとで作られるDOCワインとのこと。
この辺詳しくないのですが、ZENATO社はアマローネで有名な生産社のようですね。

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こちらがシェフが作成した本枯れ節と同じ作り方で作ったという猪節です。
鰹節のように削って使うようですね。

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それにしても、、、いいカンナもお見事ですね。(すいません目利きではありませんが)

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白ワインと最初のシャンパーニュを並べて色合いを見ると、かなり似たような感じですね。

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1年熟成のおじろ野性猪の生ハム 初夏の野菜GVクリスタリゼ
  おじろ猪本節(2012夏)DASHI旨みスープ(グルタミン酸+イノシン酸+グアニル酸)


左のハムが猪で、右が鹿になります。 
卵黄とヘーゼルナッツのソース。 付けあわせはナスタチウム、鹿のチョリソー、夏アスパラ、ベニタテだそうです。
見た目も肉の色合いの差や緑が映えておりビジュアルもいいですね。

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付け合せは初夏の野菜で、という一皿。 ネーミングはともかく(笑)見た目は前回頂いたのとほぼ同じに見えます。
しかしながら、その味わいはかなり変わっています。 かなりよい方向に。
生ハムのクオリティは前回と同様によいものですが、 前回はもう一歩マリアージュなどの点でバラバラ感もやや感じたのですが、今回はソースがつないでくれたのでしょうか?
一体感が増し、バランスが整いかなりの好印象の一皿に変わっております。

それにしても、こちらの生ハムと白ワインがよく合います。 軽めの赤、、、と思ってしまいましたが、なかなかどうして。

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さらに写真にはないのですが、イノシシの本枯節(自家製)とコンソメ。
こちらのスープもすごいです。 こちらも前回同じようなスープをいただきましたが、バージョンアップしています。

ワインを消してしまうほどの肉々しいスープ。 ワインも決して弱々しい味わいではないのですが、さすがというところでしょう。
コンソメは利尻昆布と干ししいたけの旨みも入っているとのことですが、味わいはコンソメがメインでしょうか?
だからこそフレンチテイストあふれるわけですが。

山椒が少々はいっており、前回も美味しく感じましたが、今回はさらに洗練度があがったような気がするのは 気のせいだけではないと思います。
山椒がアフターに抜け、ふっと一息するのもまた楽しい。

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La Tosa Sorriso di cielo 2009

ラトーサ社のSauvignonを使ったワイン。

エリミリア州はロマーニャのワイナリーのようです。  マルヴァジア・ディ・カンディア・アロマティカ100%のワイン、、といわれてもよく分かりません(笑)



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今回作成していただいたメニューですが、またかわいいです。

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とうもろこしと利尻紫雲丹のブルーテ

続く一皿は、ちょっと見た目スイーツのような雰囲気。
定番のとうもろこしのブルーテですが、ただの一品ではありません。

ウニは定番の組み合わせはもちろんのこと、秋田のじゅんさい、上の泡はココナッツのミルクファームとのこと。
じゅんさいのちゅるんとした食感がアクセントだが、やや浮き気味にも感じられるかも? (わずかですが)

しかし、とうもろこしの強すぎない味わいがかなり好み。 結構濃さに走るケースが多くて。
未来などの甘さを主張することが多い経験からですが。
その上にココナッツの風味とほどよい塩分がやさしい味わいで、ほっとします。

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これにあわせたワインは、エリミリア州のもの。 単体では野菜のような味わいで、ちょっとビオニエのような複雑さも。
裏側にあるほんのりした苦味がワインとこの料理をつなぐ共通項か?

前回もワインと料理のマリアージュを供していただきましたが、今回のほうがよりよくなっています。

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La Tosa Sauvignon 2008

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徳島吉野川 稚鮎のショーフロワ「遡上」

続く前菜は、、っていつまで前菜なのか?(笑) は鮎のムニエル”遡上”と常温のリエット。
リエットの回りはきゅうりで包んだバーガースタイルとのこと。 下には凍らせたリエットの2重構成。

一方のムニエルは温製。 こちらは苦味炸裂。 なんでこんなに苦いの?というぐらいに。でも嫌な苦味ではありません。
  苦手な人もいるのかもしれませんが。 私は苦味平気ですので。
こうやってみると温製、常温、冷凍と3つの温度感の差異を楽しめます。

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ワインとあうと、さらに苦味が増すのはまた面白い感覚。 ピスタチオや穂紫蘇、木の目も。

  コースの中でもこの一皿はアクセントになっていると思います。
ワインはレモンっぽい感じでガツンと苦味、これがやはり共通項でしょうか?

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Hofstatter gewurztraminer 2011

続くワインはイタリアのゲヴェルツ。 ライチっぽい感じでアルザスのゲヴェルツとはやはりイメージが違います。

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