「ロアジール」   ★★★  2000. 9






入店




3連休の初日。  たまには夕食をのんびりしたいと考えていたので、

3800円ぐらいのプリフィクス 塩はたっぷりね!!

そんな気分でセレクトしたお店はこちら。


あんまり雑誌で見かけない気がするので、それほど混んでないだろうと いう推測の元、当日の昼過ぎの予約。 知人を一名呼んで計3名でチャレンジ。 こんな時にさっときてくれる知人は本当に貴重である。 感謝である。


お店は、飯田橋から神楽坂へ行く坂の途中。 お店はビルの1階にあり、それほど 広くはなく、テーブル総数は7、8程度。 フロアは1名のみでサポート。 満席だとつらいと思うが・・・ 祝日だからということであろうか? 客数は4組程度。


それでも料理の出はそれほど良くない。 オーブンが少ないのであろうか?


お店はやや暗め。値段にしてはどちらかという落ち着いた雰囲気。 ライトも暖色系である。
写真もやや暗めであるが、ご容赦を。






食前酒のメニューを渡される。

やっぱりこの季節は「グラスシャンパーニュ」の主旨。

わりとしっかりとした味わいでどちらかという好きな感じ。 やや強めの苦み。 それでもまだまだ暑い季節、くぅ〜と半分ぐらい飲み干してしまった。あぶない、あぶない。。 どの銘柄かを頭で想像しつつ、店員に聞いてみると、「クレマン・ド・ロワール」とのこと。

話しが違うじゃないか!!!!!


おいおい、これはやばい店か? と一瞬頭を過ぎる。。
が、量はたっぷりで900円とすると良心的かなとも思い直す。 後ほど分かった銘柄は ラングロアシャトーであった。 好みなはずである。


料理は、3500円で、前菜、メイン、デザートである。

プラスαとなる料理は数品のみでセレクトの幅は多い。
軽く前菜のみのメニュー部を載せてみる。

menu


しかし、 左脇に日付がある。 

これは毎日これだけのメニューを手書きしている のであろうか? う〜ん、なかなかやるかも。。


といいつつ、注文を終えると、アミューズが供される。


アミューズ・・・・・・・????


この価格でか??



アミューズ
 

鴨のリエット


amuse


単調であるが、なかなか美味。 食前酒とは違って期待させてくれる味。




前菜
 

お肉屋さんの前菜


肉の前菜


いきなり、これかい!! というほどの圧倒感。
アミューズにも出た鴨のリエット、生ハム、サラミが写真の様に。肉に癖もなく、 ほどほどに美味。 鴨のリエットなどは好物の一つであるから、パンが進んでしょうもない。。



鶏レバーのテリーヌ グリーンペッパー風味 リンゴのピューレ


鶏レバーのテリーヌ



鶏レバーの上品系。 ねっとりしたレバー、レバー。 多少レバーらしさが強いので 苦手な人はだめかもしれないが、私含む参加者一同全員おいしく頂きました。 ペッパーはそれほど印象がないが、リンゴのピューレとともに頂くとその相性はセオリー通りに 文句無し。 こちらもワインが進む、進む。



まぐろのタルタル


まぐろのタルタル


当日のお勧め、まぐろとソースのトマトとの相性もよく、こちらもよろしい。 レモンを絞ってその焦点を定めている。



メイン
 

黒豚骨付きスペアリブのコンフィ


コンフィ


当店の一押しは、鴨のコンフィと聞いていたので、そちらを楽しみしていたのであるが、 残念ながらメニュにない。代わりにこちらでその様子を試してみた。 こちら、かなり塩分が強いが表面のカリカリ感といい、非常に好みの焼き方(揚げ方?)で 好印象。 付け合わせはポテトの薄切り。時間が経つと油がベトベトしてしまうのは 難点であると思うが、出来立てはさくさくといただける。 冷めないうちに。



鹿児島産シャモのロティ


しゃものロティ



+800円である。

味はさっぱりしているが、かなりのボリューム。 写真ではわかりにくいとは思うが。   非常に淡白な味付け。 特に下の鳩と一緒に味見をしたので、特にその印象がある。 であるが、こちらもおいしい。 やや塩ベースのソースである。




アンジュ産小鳩のロティ ロッシーニ風


鳩のロティ


+1000円

今回、かなりお気に入りの一品。 もちろん骨の周りについている肉も、パリパリの皮と 一緒についている赤身の肉も歯ごたえ、味付けともによろしいが、何といっても ソースとして使っている内臓(肝臓か?)のとろとろ具合が最高である。 実にうまい。 もっと、もっと大きな内臓だったら、よかったのに。




 
ワイン
 

Coteaux du Tricastin


トリカスタン


さて、頼んだワインはこちら。 料理にあうリーズナブルさと塩分のきつい、しっかりとした 味付けにあうワインは、ローヌに決まりでしょう。

Domaine Saint LUC 1996  \6000

初めて飲むAOCである。 資料(ヒュージョンソンのワインブック第2版)によると

ローヌ南部。Cote du Rohe の周辺部。質は向上中。魅力ある赤は熟成に8年を要することも ある。最良のものには、Dom. St-Luc , ・・・

だそうである。店の方によるとシラー100%。割と苦手な感じもなく、やはり この手の料理にはこの手のワインがよくあう。 やはりいくら好みではあってもこれらの料理に ブルゴーニュは不釣り合いである。
かなり濃い目という事前のお達しではあったが、なめらかにすいすいと飲める。 お得感はまずまず。




パン


パン


パンはそれほど印象強いものではなかった。 暖かくもない。 ただ、後に聞いたところによると、丸いパン(名称失念)はオリーブの実を 入れた自家製であるとのこと。 残念ながら、そういう感触は得られなかったが。。。 こちらはやや残念。 申し訳ないが、オリーブとは分からなかった。個人的な好みでは もっとメリハリの効いたオリーブが欲しいところである。

またせっかくの自家製であれば、焼きたてを頂きたいところである。




デザート
 

盛り合わせ


デザート


+600円で盛り合わせに。
ガトーショコラ、プリン、いちじくのタルト、キャラメルのアイスクリーム

このお店の価格にしてはなかなかよい出来のデザート群。 流行のなめらかプリンを 頭から否定するようなクラシックなプリン。 私はもうすこしくキャラメルの苦みが 合った方が好みであるが、嫁さんはこちらで充分とのこと。

いちじくのタルトはよく、いちじくが分からないが、まずまず。

しかし、特筆すべきはガトーショコラであろう。 普通、パサパサなガトーショコラを よく見かけるが、こちらのは「しっとり」しており、かなり濃い目の作り。 やはり、このお店で作っているとのこと。 かなり好みの味と出来。 充分。。



食後のコーヒー(エスプレッソを注文)は有料であるが、価格は300円とお値打ち。


コーヒー



しかも、その味は、かなり濃い目でこちらも充分な出来。 今までの私の中では 10本の指に入るエスプレッソであると思う。 最初、量が少ないので、不満気味で あったが、一口つけて、

OK!!! このままでいい。。。。

というもの。器とかは寂しいが、いやいや十分。


なお、上記ガトーショコラも5本の指にいれていいと思う。



プティフール

プティフール



何という心意気。 なぜこの価格でプティフールまで出てくるのだ。。
特に特筆すべき味ではないが、もう見事でしょう。

いったい誰がこの価格でここまでのコース立てをしてくれると思うでしょう。

いや、脱帽。


ただ、こちらのマドレーヌ。かなり甘い。自宅で作るのと甘みが全然違う。 しっとり感も強い。 ここまで甘いマドレーヌも始めてである。 最後の最後まで気を抜かせない。 








総評




ビストロである。

しかもかなり良質の。 今までのランチでも焦点の定まらない お店も多々あるなかで、3500円でアミューズからプティフールまで出て、しかも それぞれ各所にこだわりを感じられるお店が他にあるのだろうか?

(あるかもしれない。 そんなに行ってないから) ← やや弱気

それはともかく、フロアには一人の女性しかいないが、ワインの説明から 料理の説明まで丁寧に受け応えてくれる。 親しみのある応対。
ややメインの料理の供される順番がかなりずれ込むなどの不備もあったが、 そんなことは気にならない。 グランメゾンとは違ったうまさ。 単純なうまさ。 直球しか知らない。 そんな感じがその日の私には心地よく感じられた。


ただ、一言。 

「クレマン・ド・ロワール」はシャンパーニュじゃない!!!!

頼む。 そこだけ直してくれ。


参考データ

Le Loisir

Yamanouchi Bld. 3-2 Kagurazaka Shinjuku-ku Tokyo
Tel & Fax 3266-0633