「ル・レストラン・ドゥ・レトワール」   ★★  2001. 3






入店




今月末土曜が出にくくなりそうな感じなので、土曜日にしかいけないレストランということで。 こちらのランチへ。

場所は恵比寿。 もうオープンして3年ぐらいは立つだろうか? 前から行きたったレストランである。 そう、パリの2つ星ギーサヴォワのセカンド店の東京店である。






当日、予約して入店は1時ごろ。 駅からあるいて5分ほどであろうか? 目の前のラーメン屋の 行列を横目でみつつ、エントランスに入る。


入店すると・・・・・・・・・席である。




そう、あたりまえのようであるが、席である。

つまり、入り口から一番近い席まで1m(?)という距離である。 ここまで近いのは 新宿のビストロ・ダ・コテぐらいではないだろうか? つまり真夏はドアが開くと外の熱気 が、真冬は外の寒気が直接、客にあたるわけである。

なお、帰り際には暖房が切られたらしく、そとからの隙間風を感じて、寒い思いをした。

なにしろ、この日は3月30日。  桜と雪が一緒に見れた日である。





さて、このお店であるが Sinp's world 初の


写真(持っていたのはビデオだったけど)撮影禁止店



であった。こちらはフラッシュなど使っていないにも関わらず、である。まあ、しょうがないですね。 お店の方針なのでしょうから・・・・


もしかして、この出入り口を見せたくないからじゃない? なんて勝手な憶測も(笑)


フロアはグリーンな椅子と木調のインテリアで統一され、壁には大きな絵がかかっている。 フロアのサービスは男性、女性の2名で行われる。 当日はほぼ半分ほど席が埋まっていたが、 満席だとかなり厳しい状況が予想される。 我々が行った日はまったく問題ないサービスであった。


非常に丁寧な物腰であるが、声は非常に小さく、一人にしか聞き取れないものである。



ランチは、3500円7000円のコースとアラカルト。 二人とも3500円のコースにて。 前菜、メインの2皿構成で、それぞれ数品からのセレクトである。 

当日は、前菜は、サーモンのタルタル、根セロリのスープ、ホワイトアスパラのラビゴットソース(+1000円)、 メインは、魚(平目のブイヤベース仕立て)、肉(羊のハラミのロティ)とのことであった。 なお、このやりとりはすべて口頭によって行われる。

フレンチに慣れていない人だったら聞き取れるんだろうしょうかねぇ〜 まあ、いいけど。

なお、例によって下記の調理名は適当である。






注文





アミューズ
 

あさりのミストローネ

小さなデミタスカップのような白い陶器に盛られたミネストローネ。 うん、よい出汁が出ている。 香りもよい。 あさりとニンジン、大根、とうもろこし、インゲン、トマトなどが形をそろえて切られ 入っている。 あさりのほどよい火の通しもよいのであるが・・・・・どうしたことか?

  私達はあさりに異臭を感じた。

異臭とはいっても、ちょっと新鮮でないようなものに感じるあれである。生臭い、というのに近いが。

私たちが変だったのかもね。。。

 



自家製パン


焼き立てであったそうだが・・・・私たちのところに来た時には冷めていた。 食べ応えのしっかりある旨みのある味は、なかなかよい。 好みからいうと、単体で食べるとちょっと胚芽が気になるが、 バターと一緒に食べると、結構いけます。 ほんのりとした酸味と。

なお、2回目にもらった時は温かかったので、一言。





グラス白ワイン


シャブリのラロッシュ(?) 1999

って良く知りませんが(笑) まずまずです。 ちょっとオイリーで、蜂蜜、花などの 香りも均等に。 バター香もちょっと。 お食事は合います。


なお、嫁さんのグラスにはコルク片が浮いていたので、交換してもらいました。 その時の対応も、まったく問題ありませんでした。

本来ならまったく気にせず飲んでしまいますが、撮影を禁じられてしまったで ちょっと腹立たしいものを感じていたので。 ちょっとイジワルに。

撮影を禁じるぐらいなら、エントランスをつけて欲しいよね。まったく・・・





前菜
 

ホワイトアスパラのラビゴットソース





+1000円。 まあ一応季節物ということで注文しました。

なお、味の方は美味しいんではないでしょうか? 今までホワイトアスパは数度しか食べていませんでしたが、 一番美味しかった。 特に温かいラビゴットのソースが上出来でした。

アスパラはしっかりと太く、上質であることを感じさせ、ソースに絡ませて 食べるとなかなかよいお味。 しっかりとした塩を感じます。

またしっかり皿まで温められた一皿である。





サーモンのタルタル





サーモンの上に白い(梅とのこと)ソースがかかり、円形に盛られている。

周りにはマスタードのソースが。 梅の酸味としっかりとした塩味。 そしてサーモンの脂と ほんのりとした甘み。


なかなかよい品である。





メイン
 

羊ハラミのロティ


やや大き目のハラミが2個。周りにはラタトィユが。

ハラミってかなり脂っぽい印象があったのですが、非常に淡白な味わい。 淡白すぎて、食べると中がパサパサであるほどに。

ですが、外のパリパリ感は好感、もっといい肉だったらさぞ・・・・


なお、ソースは羊のジュをつかったものであるとのことであるがソースは美味である。





カリカリに焼いた平目 ブイヤベースのソース


ああ、美味しいです。 嫁さんにはあまり好評じゃなかったけど。私的には かなりお気に入りの一品。

香ばしい平目の香りと、うまみのたっぷりすったゼラチン質。 ソースは確かにブイヤベースを 凝縮したようなもの。付け合わせはネギ、こなす、グリーンピースなど。


グリーンピースはしっかりとした歯ごたえでなかなか面白い。





デザート
 

盛り合わせ


温かいチョコのケーキとバニラアイスクリーム。

チョコのケーキは外側が、甘みの少ないガトーショコラがちょっとスポンジ状に なったものであるが、中にはチョコの濃厚なものが。

ナイフをいれると、トロリと溶け出してくる。


バニラもなかなか風味があってこちらもよろしい。甘みもしっかり。

一緒に食べて下さい、とは言われたが、この組み合わせは????である。
単体で食べてよし。


温かいデザートである。









総評



料理は総じてよい。 しっかりした腕の持ち主であることを実感できる料理群。


ただ、素材がそれについてきてない。 非常に惜しい。


塩分が濃いとの噂もあるようであるが、確かに濃い目。  だが、これが「パリ」である。 フランス料理である。 立派である。 よく向こうで修行したといいつつ、フランス料理だか分からないものを出すところが あるが、やはりこうありたいと思わせる料理である。


ただ、無理がある。 高い土地代やその他もろもろの制約もあるのだろう?   普通の食材でがんばっているのが、食べてて悲しくなるほどである。

もったいない。


是非、郊外にでてよい素材を使って、思う存分腕をふるって欲しいと思う。



ただ、おそらくもう訪問することはないだろう。 なぜなら、楽しくないから。
サービスは丁寧で、親切。 文句はない。 なのに、なぜだろう? 楽しくないのだ。

途中、嫁さんがソースを洋服に少しこぼしてしまったときもすぐ高温に蒸らしたタオル をもってきてくれたり、帰りは外まで送り出してくれるなど。。。サービスは悪くない。


「レストラン」の語源をご存知であろうか? 確か「元気にさせる」というものだったはずだ。

私が昔読んだ記事に「おいしかった」という客は2度来ないが「楽しかった」という客は また来てくれる、そんな主旨の文章であったように記憶している。

至言である。


そして、このお店はそれが出来ていないように思えてならない。


そう思いませんか??