「オテル・ド・キタオカ」   ★★  2000. 9






入店




真夏の暑い時期に昼真っからレストランでシャンパーニュを飲んで 「まったり」してみる。


そんな夢を実現させようと春頃から思いつつ、いつものお店に予約しようとしていた。

が、こちらの夏休みとお店の夏休みがぶつかってしまい、残暑厳しい 8月末の実現となった。



さてそのメインとなるシャンパーニュであるが、お店の方のお勧めに 従い、事前に Krug NV を御願いしていた。今回は私を含め3人。 昼の泡はよく効くので1本ぐらいで(私には)ちょうどよい。








さて、お店にてメニュを広げる。


大分変わったようだ。 お昼から見開き2ページにプリフィックスのメニューが ずらっ〜と並んでいたのであるが、実質1ページにまとまってしまった。
(またプラスαの価格が少し上がったように思う)


どうもお店の方の話によると、出る料理と出ない料理が偏ってしまって 材料の保管などで問題(無駄)が出るようである。特にこの時期、海産物を多用している ため、腐敗が怖いという。。。 時期が時期だけに、また最近のこのニュースなどを 見ると、理解できないわけではないが・・・ かなり残念である。


しかし、メニューをのんびり眺めるという楽しみが無くなってしまったのは、 レストランに来る楽しみの半分を失われてしまったようで、早々に復旧を望みたい。




(アペリティフのシャンパーニュを飲みながら、メニュやワインリストを眺めつつ、 今後の食事の展開をどうするかを考えるのが、最大の楽しみではないだろうか??)



そうこうしているうちに、シャンパーニュが抜栓される。

NVはいつでもお店にある、ということで


WINE
 

85 クリュグ



クリュグ





とあいなった。 もうお店には2本しかないということで、この機会に。



クリュグ  クリュグ



さて、シャンパーニュであるが、ホストティスティング時には色はやや濃いめ、 香りは濃厚な焼きリンゴ、味わいはかなりすっきり系であった。 飲んだ時の泡は 非常に優しい。 この優しさは、最後まで変わらず、限りなく白ワインに近いので はあるが、ほのかに口中で発泡する感じで好感。 香りは途中からほどよいイースト香 がしなくなる程度で、それ以後変わることはないことも驚きを禁じ得ない。更に食事を通して 飲み続けたが、飽きないこともビックリである。

肉料理に合ったかと言われるとよく分からないが・・・(笑)




アミューズ
 
  
アミューズ 



豚のレバー、鳥レバー、牛挽きを合わせたペーストの物を軽く焼いたトーストの上に載せ、 間には薄くスライスしたピクルス。 味は想像できるものであるが、香ばしい香りが 食欲をそそってくれる。 一番シャンパーニュにあったかもしれない。。 牛肉の香りと香辛料。 味は牛とレバーが支配的。




前菜
 

ナスと海の幸のサラダ仕立て ラビゴットソース



茄子 



冷製。かなりオーソドックスなソースであるらしいが、なかなか美味なソースである。 ソースにある黄色いつぶつぶした物はゆで卵を裏ごししたものとの事。 風味のよいオリーブオイル。 夏向きにきりっと冷やし、ほどよい酸味と甘みの バランスも良く、ナスや魚介の甘さともよくマッチする。 




オマール海老のロティとジロール茸のリゾット




オマール 



温製。ソースはかなり濃厚なアメリケーヌ系。 オマール、ジロールを感じられず、ソースに1本負けの印象。 名前負けの一品?? 





本日のテリーヌ



テリーヌ 

 
 
  イワシとトマトのテリーヌ
 
  最近、近場の立ち食いの寿司屋でアジやイワシがうまい。脂が載りきっており、 ご飯とショウガとの相性が抜群にいい。季節を 感じさせる夏の一品といって いいだろう。
 
  そんなイワシを使ってのテリーヌである。 以前、さんまとジャガイモの 使ってのテリーヌのすばらしさがよみがえる。。 これは期待するなというのが 無理であろう。 
 
 
  見た目にはトマトの層が鮮やかに、その期待感を増してくれる。
 
 
  さて味であるが、イワシである。  
 
 
  以上。



といいたくなる1品であった。イワシは確かにうまいのだが、全体の料理 としてのバランスが悪い。トマトという素材自体が、あまり合わないのでないだろうか?


  赤ピーマンのソースがあるのだが、これも不要である。塩分もテリーヌだけで完結している。 ソースだけならうまいのだが、イワシとの相性は悪い。申し訳ないが、次回の組み合わせに期待したい。
 
 


スープ
 

舞茸のスープ



マイタケ



よく分からないのだが、舞茸って今でしょうか・・・・・?

さて、香りはそれほど舞茸してない。 ってもともとないとは思うが。 舞茸は味である。 が、期待していたほどのことはない。 





ズワイ蟹と完熟トマトのムース 冷たいコンソメスープ



トマトのスープ  トマトのスープ 



見た目には中心に赤いムース状のもの。周辺にコンソメゼリー。 皿はガラス製と夏を意識して心地よい一品。。。


名前からすると、旨味の凝縮感が感じられるのだが、こちらも皿全体と してみると、やや的外れ的な一品。 まず中心に添えられたムース状のもの。 これはうまい。エビとトマトの甘みをうまく包み込んでいる。 


だが、周辺のコンソメに味がない。 旨味がない。 塩もない。 何もない。 従って、上記のムースと一緒に食べても、コンソメの方が多い分、 薄味になり、夏向きを狙っているのであろうが、やや狙いすぎ。 薄味過ぎるのではないだろうか?

もう一塩(?)欲しかったように思うが、どうだろう??





メイン
 

ヒラメのポワレ



ヒラメのポワレ 



あまり印象のない一品。 ヒラメの皮のぱりぱりとした食感は好印象 であるが、特筆すべき点は特になし。





鴨のソテー



鴨のソテー  鴨のソテー もも 



最近鴨づいている。先週2度ほど鴨を食べている。
やはり前回の鴨の印象が強く、あまり印象にない。 左の写真はももの部分になる。 粒マスタードをつかってサラダ仕立てにしてある。マスタードでさっぱり。





牛肉とフォワグラのパイ包み焼き ソースマデール



パイ包み焼き  パイ包み焼き 



もう何度も食べているので、あまり感動はないが、安定して 食べられる一品。 簡単にいうとハンバーグなんだけどねぇ〜 やっぱりソースが美味しい。

ちょっとアレンジして自宅でも・・・・どうだろう??





パンはちなみに焼きたてを供してくれるため(1種類のみ)、 この点は評価したい。









総評





今回はやや残念な訪問となってしまったような気がする。

料理が夏を意識しすぎて軽すぎるのだ。食べ終わった当初は満腹であったのだが、 いつもの夕食の時間になると空腹を覚えるぐらいに。ランチにフレンチを食べるとそのあと何も食べたく 無くなるのが通常であるにも関わらずである。

夏を意識して、ソースや料理自体を軽めな設定にしてあるに違いない。 しかし、軽すぎるのではないだろうか?

夏場とはいえ、そんなに軽い物が食べたければ、他にいくらでもあるだろう。。  同じ洋食系であれば、イタリアンなどの方がよっぽど夏向きに徹していると思うのだが。



また、味の焦点がピシッと定まっていないように感じる。 いつもの(?)シェフはいたのだろうか? やや心配である。



また味に関係しているのかもしれないが、相変わらず満席であった。 そのためか、料理がいつにもまして遅かった。

ある程度の遅さは私としてものんびりするのが目的で行っているのであるから、 構わないのであるが、今回はやや行き過ぎであろう。 そのために味が整わなかったのであろうか?? やや疑問の残る訪問であった。


もっとも、遅くなった点に関してお店の方からはお詫びの一言があったことは付け加えておく。 一つのメニューに注文が集中したためということであるが・・・・・


秋の訪問時にはキノコを御願いしようと思う。