「オテル・ド・キタオカ」   ★★★○  2001. 1






入店




行きつけのフレンチへ。 久しぶりに。 ランチ。

前回、かなり味が落ちた感じを受けたのでやや足が遠のいてしまったのである。   というのもシェフが独立したからであったためだ。 あれからそろそろ3、4ヶ月・・・ 落ち着いてきて、自分の味が出せるようになった頃であろう。


そんなわけで、正月もあけたころなどは割合席も取り易いので、チャレンジしてみた。

メニューは3800円と7500円。 以前に比べ、選択できる品数がかなり減り、 メニューを見て楽しむ喜びは半減したと思ってよい。 また、やや高額へシフトした感じも ぬぐいえず、不安げなスタートとなった。




注文





食前酒
 

ブーブクリコ イエローラベル

先日も飲んだブーブクリコを。

リンゴのさわやかな酸の香りとともに、飲んでみるとやや樽がきつく、バランスが崩れた 印象もないでもない。 多分、昨日抜栓したものであろう。

なかなか、いろいろな表情を持ち、難しいね。 シャンパンは・・・・



アミューズ
 

タカベのシュー


アミューズ



ネーミングがなかったので、適当でこちらにつけたもの。

説明によると、タカベ(魚)、オニオン、アンディーブなどをシューの中に入れたものである ようである。シューは非常に軽く、実際に食感も軽目であるが、中はバターの香りとしっかりした 白身魚の旨み。一口で食べられるベビーシュー程度の大きさ。 よいスターターである。




パン
 

自家製パン


パン



最近ここの焼き立てのパンがうまい、と思う。

あつあつである。

しっかりとしたパンの旨み。 ソースに付けてもよし、そのまま食べてもよし。
特に、前菜が来るまでの間にペロリと1個食べてしまいそうな自分が恐い。 しかし、何個でもくれるので安心して食べたまえ・・・(笑)



前菜
 

今日のテリーヌ 〜たらば蟹〜


たらば蟹のテリーヌ



かなりさっぱりした味わい。ちょっと冬には合わない感じもするが、他2品の前菜が こってり目系だったので、それはそれで。
ちょっとネチョとした食感が面白い。タラバの淡白な味わいを存分に楽しめる。  テリーヌの周囲はほうれん草がまかれているが、サーモンピンクのテリーヌと深緑のほうれん草の組み合わせは 見た目にはちょっと美しくないと個人的に思った。
付け合わせは同蟹のコロッケであるが、ハーブが強く、蟹の味を消してしまっているのは 残念か? 

添えられたトマトソースは濃厚である。 一緒に食べたらどうだったのかな??





エスカルゴとキノコと栗のフリカッセ


エスカルゴ



グリーンの色合いと味わいはパセリが一番強いけど、それだけのグリーンではないと思う。 またニンニクもしっかり。 エスカルゴのこの食感とキノコの食感がよろしい。

ネトッとしたソースはエスカルゴのものか? 旨みも充分。





鱈の白子のムニエル


鱈の白子



私の前菜の一押し。 メニューにはなく、口頭で伝えられたもの。 見た目も一番気合のノリを感じる。白子自体はカレー塩味。白いソースはレフォールソース。


鱈の白子   鱈の白子



白いレフォールソースは生クリーム・クリームチーズ(?)もほのかに。脇のパートフィローの パリパリとした食感と鱈のブランダートとの食感の妙。 ブランダートは鱈とジャガイモを1:3 の割合で混ぜたものらしい。

またメインの白子も塩の旨みとカレーの風味と白子のねっとりとしたクリーミーな味わい。。 う〜ん、好みな一品だ。





ワイン
 

Volnay Clos Des Santenots 1994 Domaine Jacques Prieur


Wine



予算をいって、適当に選んでもらったもの。これは・・・・うまい!!

94年ということもあり、あまり期待していなかったのであるが、なんといううまさだ。 色合いもかなり熟成感を感じ、香りもかなり古さを感じさせる。

にも関わらず、ものすごい獣香とそのバランス。。


Wine



このドメーヌ・ジャックプリュールは1988年に一部をアントナンロデに買収されたが、その後品質が 著しく向上したらしい。今回飲んだ畑はムルソー村にある1級畑のモノポールものらしい。

新年早々、こんなにうまいワインが飲めるとは!!




スープ
 

かぼちゃのスープ


かぼちゃ



生クリームとかぼちゃが非常に強く、甘みはいやみがなく適度な感じで うまみもたっぷり。シナモンで香り付けしていらしいが、あまり気にならなかった。

言われてみて納得。




コンソメスープ


コンソメ



地鶏のコンソメらしいが・・・・? コンソメって牛じゃなかったっけ?

非常によい香りで、また澄んでおり、あまり想像したエグさはない。 中にはニョッキと海老などが入っている。 ニョッキの食感がスープに面白い。





メイン
 

シャラン産鴨のロティ


鴨  鴨



ソースはバルサミコベース。 +2500円。

鴨にそれほどのインパクトはないのであるが、付け合わせのポワロネギやベーコンがうまい。 ポワレネギはソースをたっぷり吸って旨みを持っているのであるが、このベーコン、ただものではない。 非常に旨みが強い。

不思議に思って、何かと尋ねたら、アルザスのベーコンであるらしい。 アルザス?  わざわざ・・・こんな付け合わせまで・・まあ、この値段なら当然か?




子羊のロースト


子羊のロースト  子羊のロースト



ニンニクのソースにて。 しかし、それほどのニンニクは感じない。見た目はかなり薄めな色。 なんか怪しいなぁ〜と思いつつ、試食するとこの肉、うますぎる!!

聞くとシストロン産らしい。要はプロバンスの方らしい。 脂ののりが非常によく、脂のうまさはピカ一であるとのこと。ポイヤックなどの羊も有名であるが、 脂を考えるとこちらの方が美味しいと考えている、とは支配人の弁。

いやぁ〜 うまい!!

+2500円だから当然かな。。。 あと付け合わせのラタトィユも味が濃く、よい!




牛フィレのロースト クルミのソース


牛フィレ  牛フィレ



あまり牛肉くさくない一品。 「牛肉は好きではない」といってはばからない知人が 食べられるぐらいであるから。 焼き加減は適度で心地よいほど。 味としては やはり羊と比較してしまうと、ややつらいか。

キノコの心地よい食感。ロースとしたクルミの香ばしさが好印象。





デザート
 

盛り合わせ


ケーキ



正直にいって、こちらのデザートにはあまり感心していなかったのであるが、 シェフが変わったおかげかかなり向上(というか好みの味)した。

酸味を大事にすることは変わらないが、甘みがかなり強くなり、コクが出てきた。 私の盛り合わせは、パッションフルーツとキャラメルのアイスクリーム、 ガトーショコラ、カシス、フランボワーズとマスカルポーネ(だったかな?)のケーキ。

また、他の人のはキンカンのタルト、バナナのクラフティなど。 特にキンカンのタルトは 美味しかった。


ケーキ  ケーキ











総評



今回、かなり当たりな料理が多かった。 前回の先行き不安な印象を払拭 してくれた料理群。 もちろん、「普通」や「もうちょっと」と思えるものもあるが、 いやいや充分。

また、ワインもヒットでした。

時間も12時に入って、お店を出たのは3時。 非常に楽しい食事でした。  これでしょう? 食事って。 また、近いうちに再訪したい。

今回も付き合ってくださった知人に感謝!