「エブリーヌ」   ★★★★  1997. 8






入店




現在1Fが改装中。 2Fで通常営業中。ゼクシィなどにもレストランウェディングに よく掲載される所。 さて、私の体験記を。

神泉から歩いて3分。ただ大通りに駅が面していないので、非常に分かりにくい。 レストランにつくと1Fが改装中のため、本当に営業しているかと、いぶかったが、 問題なく営業中だった。(但し、席は8席程度)。

その日、2番目の客(予約はしてあったが)で、なかなか良い席(場所)に案内される。


まず食前酒を勧められるが断る。「グラスワインで始めますので・・」と。 ところが、「こんな物があるのですが・・・」と何か瓶に入った液体を持ってきた。 やや薄いピンク色の液体。 つまらないキールとかだったら注文しないのですが、 その珍しさについオーダーしてみる。 先ほどの液体をシャンパンで割った物らしい。(1300円)


シャンパンの香りと僅かな酸味と甘味が程良い。(これこそ食前酒)。 出だしから嬉しくなる。  (実は行く前、腹痛のためあまり食欲がなかった)

一体何だかわからなかったので、ちょっと聞いてみると、6種の果実・野菜をブレンドして 2種のリキュールを加えた物が例の原酒だそうだ。 分かるはずがない。しばらくすると、 原酒を小さなグラスに入れて、供してくれた。(サービス)

この原酒がよい。香りは桃。その人はソムリエだったらしいが、その人が作っているとのこと。 白桃のカンズメを3分ほどミキサーにかけて、桃のリキュール(ベリーニ)などを加えたものらしい。 その季節などにより、野菜の甘味が異なるので、味見してその時々で、量を調節しているとのこと。 「そのまま飲んでも良いですね」と言うと、やはり食後酒として、そのまま出すことも有るようだ。


ランチコースは 前菜(温・冷それぞれ3種ずつあり、その中から前菜として1つ)、 魚料理(4種)、肉料理(5種?)、デザート、コーヒーが付いて、3300円。




前菜
 

森のキノコとカリフラワーのフォンダン

フォンダンとは聞いたところ、ムース状のものだと思ってもらって良いとのこと。 4種のキノコを羊のフォンでゼリー状にしたものの上に、白いムースが載っている。 味はまあまあ。パンに乗せて食べると食が進む進む。


エスカルゴとナスのフリカッセ

パセリ風味。濃厚なパセリ、ニンニクのクリームソースで。例のエスカルゴ焼きと同じかな。 ただ、連れは元々このエスカルゴ焼きが好きなので、喜んでいた。


以後、料理の説明は完璧にしてくれ、聞いてもいろいろと教えてくれる。




 

カサゴのブイヤベース風

オーダー時には、何か小さい鍋にでも入ってくるのかと思ったら、普通の皿に魚とソース。 実はこれが侮れなかった。 ソースは間違いなく、ブイヤベースの味(複数の魚)。 また、ヌイユを一緒に出されたのだが、それにイカスミが混ぜて有り、真っ黒。 ニンニクが強烈。付け合わせ は、人参とポロネギ。 この野菜と魚、ソースと、ヌイユを混ぜて食べると、非常に良し。 フランス料理 の魚を食べているという感じが非常に嬉しい。非常に従業員がきさくで、「珍しいですね、ヌイユにイカスミなんて」 と言うと、いや〜地方 ではよくあるもので、このヌイユ(マヨネーズですね)をパンに付けて食べると美味しい と言われたり、またソムリエの人も、「私もこれをパンに付けて食べるのが好きでしてねぇ〜」なんて気軽に 話しかけてきてくれるのが、なかなか嬉しい。


カイサキのポワレ スパイシー風味

それほどのインパクトはないが、フランスらしいと思える魚料理。 ソースは甘しょっぱい。 醤油か・・? でも、濃厚。


実はこの辺までは、そんなに人がいなかったので、いろいろ目をかけてくれていたが、徐々に 混み始める。 となりのテーブルでは、ここで式を挙げる人たちらしい家族が食事をしており、キノコの話題になったとき、 (フランス産の珍しいキノコらしい。 ヒラタケに似ているらしい。 調理以前の手間が面倒らしい。 その後、実物を1本持ってきて見せていた)




 

ラパン(ウサギ)の詰め物

ウサギの背肉に、鶏のレバーと何かを詰めた物。 美味だった。  なかなか奥行きのある味。もう一度食べたい一品。


牛頬肉の赤ワイン煮

シェフのスペシャリテだと言っていたが・・・・・・まあ標準程度かな。 となりの客に説明していたのを聞くと、24時間赤ワインでマリネして、また 別のワインで8時間(?)煮込む。ここで肉を別にして、ソースのみを火に かけて1/3になるまで煮詰めるとか言っていたが・・・・ 手間がかかるものだ。 付け合わせは人参のグラッセ。 クミンが載っており、その風味がよい。 (基本的にハーブ好きだから。。つい点数が甘くなる)




デザート
 



専門のパティシエがいるとのことで、期待していたが、ワゴン(8種)にて、 もってきて、好きな物を2種のみ目の前でサーブしてくれる。 これが美味だった。

 どれもはずれなし。

デザートで全てはずれなしというは珍しい。 以下8種

イチジクのムース(運び手の一押しの1品)

中が冷たいムース状で、上にたっぷりのイチジクが載っている。パイ生地で。外はあまく、 さくっとした歯触りのクッキー。 (よくあるとは思いますが) 連れはニコニコして食べていた。


ベリー(いろんな)の赤ワイン・アールグレイのコンポート
松の身のタルト

中に何が入ってるか分からなかった。(紫の身が入っていたが)


ピスタチオのタルト(フランボワーズが上にたっぷり)

ピスタチオの風味がよし。 上のベリーもいい。


キャメルのムース

パイ生地の上に、キャラメルのムースが中にある。 よく分からないまま。


ブルーベリーのプリン

ガトーショコラ

パッションフルーツのタルト

どれも美味。 見た目も綺麗に出来ており、いい!!



食後酒
 


食後のコーヒー/紅茶を。その時にソムリエがきて、今さっぱりしたものを お持ちしましょうといって、何かのハーブティ(冷たい)を持ってきてくれた。 (後で勘定書をみたら、ただ)何でも雑誌の取材で、今臨時に作ったものの余りらしい。  味はない。ただ、ハーブの香りが素晴らしい。 ミント(ほとんど香り無し)と (忘れた;聞いたことない)からできており、それにコアントローを入れたらしい。 香りは「・・・」の方がメインになっているとのこと。


その後、また、ワゴンも持ってきて食後酒を進められた。この時点で非常にいい 気持ちになっていたので、「いや、あまり飲んだことがないので・・」と話したら
どんなのがお好みですか? など聞いてきて、選んでくれた。その品揃えは。

カルバドス、コニャック(2種)、アルマニック(3種:1968,64,58年物!!), マデラ(1875物!!)、甘口のシェリー、マールなど。。 


そして選んでくれたのが、1964 年物のアルマニック。 これがもう最高!!! グラスに注いだ時から、香りは芳醇。 味もクセがなく、もはや 言葉に出来ない。 ただ、「素晴らしい」とだけ言っておきましょう。  後で、いかがでした? と聞かれたので、最高ですね、と答えると、「気を付けて下さい、破産しますよ」 と言われた ^^);


ただ連れは香りを遠くから「かぐ」だけでいいと言っていた。近くで「かぐ」とむせていた。  もうお腹一杯だったので、連れは何もオーダーせず。

その後、葉巻も進められたが、タバコはすわないので、止めた。(見せてくれて、 これは一番うちでいいもので4500円なんです、と言っていたが、香りもかがせてもらったが、 よく分からない。)


また、コーヒー、紅茶などのお代わりをしてくれ、(もちろん、ただ)。  「ゆっくりしていって下さい」と言ってくれる。 結局3時間も居座ってしまった。 しかし何という至福の時だったのだろう。。。


ただ、欠点を一つ。 帰るときにたまたま誰もいなかったため、 送ってくれなかったのが、残念。 誰かいるようにしてほしい。







総評


その他、ゼクシィなどで結婚式をかなり行っているようで、ひっきりなしに話を 聞きに来るカップルがいるのだが。。。。Tシャツに短パン。スニーカーという馬鹿共 が何組もいた。 非常に寂しい限りだ。


結婚式はいい儲けになるのだろうが、店の格を落とすだけだと思う。味とサービスだけで 十分にやっていけるお店だ。 料理だけなら3300円は安いと思う。

グラスワインは 白:シャブリ(まずまず)、赤:香りは重口で素晴らしいが、味は軽い。  なかなか面白い。 (意表を付かれた)。勘定書は・・・・・・17000円なり。。 ワイン:700円、水:700円(エビアン)、アルマニック(2500円) 以上。 味は、とにかく日本的に妥協していないとのこと。(他の人と従業員が話すのを聞いていた)  味付けは濃いめ。 フランス料理らしいと思う。(本当はどんなものか知りませんが)


ただ、他の人はそんなにいろいろ勧めるような事は無かった。 
(水も、他のテーブルでは唯の水だった。 テーブルによって、勝手にエビアン空けている場所 もあれば、私たちの所は水も選ばせて(3種あった)くれた。。。 ただの水で良かったのにと、今思うが)   もちろん、ハーブティなんかも私たちだけだったし・・・


ただし、その後の噂を聞く限り、それほどいい噂を聞かないが・・・どうしたのであろう。。