「コム・ダビチュード」   ★★○  2000. 8






入店




夏休み突入記念ランチ第2弾?

完全に狂っているかのようなスケジュール。 昨日に引き続き連チャンでフレンチランチ。 昨日も昼に食べたフレンチが応えて夜はビールと枝豆だけだったというのに、だ。

そんな中で今回は1発で予約OKとなったこのお店。


全体図



料理は2500円〜 で皿数によって値段が変わるシステム。料理によって プラスαが取られることはないようである。さて、今回は3000円で前菜2品、 メイン、デセールが付くコースを選択。


こちらのお店オープンキッチンとして有名であり、2名だと通常カウンターに案内されると 聞いていたが、実際にはテーブル席へ。 次回はのんびりとカウンター席に陣取り 料理の出来上がりを堪能したいと思う。

インテリアは木を基調としたややシック系な感じ。 出入り口からテーブル席まで 全て見渡せるワンフロアぶちぬき形式。 当日はサービス2名でまかなっていたようである。


また最近はグラスワインのフェアなどもやっているようであり、そちらも楽しみであったことは 付け加えておきたい。




オープンキッチン








着席してまずは食前酒となるが、やはりここはシャンパーニュで決め。(¥800)


さてこちらのグラスシャンパンはフィリッポナ。やや冷やしが足りないのは残念であるが、 熱い体には心地よい酸とりんごの香りがバックに流れる感じでまずまず。白のグラス ワインも充実していたので、そちらから始めて良かったのだが。


また当日のメニューはこんな感じである。


メニュ1  メニュ2
 






注文





前菜
 

リードヴォーの温製サラダ シェリービネガー風味




リードヴォーの温製サラダ


手元の本で、新鮮な内臓の取り扱いが妙、との記述と内臓好きもあいまって注文。 かなり甘目の印象とやや単調な味わい。 またリードヴォーも火の通し過ぎであろうか? 今までに なく固めに感じ、旨みが感じ取れない。 それにしても飽きやすい味。 ただ、同参考にした本によると皿の盛りは少ないとのこと であったが、以下すべての皿についてそんなことはなかった。




有機野菜のゼリー寄せ



有機野菜のゼリー寄せ 


野菜をブイヨンで「しっかり」と煮たものをゼリーでかたどったもの。 「しっかり」煮てある (と思われる)ため、味はブイヨンの味が「しっかり」ついているのが嬉しい。。。が、野菜の味は どこへいったのであろうか? 野菜自身の旨みが私には感じ取れなかった。 また煮過ぎであろうか? 個人的にはもっとコリコリした歯ごたえを期待していたのであるが、クニャクニャした食感は いかがなものであろうか? どうも、その辺はシェフの好みと違うらしい。




パン



パン  パン 



パンにはかなり力を入れているらしく、店で焼いた7、8種類のパンをバスケットに いれて選ばせてくれる。 かなりしっかり目の焼き。蕎麦粉、ライ麦、小麦、トウモロコシなどなどいろいろあったようで あるが、それにしてもはっきり話さないギャルソンヌであった。こちらもまあ、なんでもいいかという 感じでセレクト。


食べてみるとかなり固めであるが、味わいもしっかり。だけどなんとなく好きになれないのは 偏見であろうか? それほど悪い要素は見当たらないのだが。。 ま、単に好みでしょうか?



前菜2
 

ゴボウのスープに魚のフライを添えて


ゴボウのスープ


ゴボウを笹がきにして軽く素揚げしたようなものと魚のフライが、ホイップしてなめらかに なったスープに浮かんでいる。 というのが形状なのであるが、味は特筆すべき点はない。 参考にした本にもこの料理について言及されていたので、注文したのだが。  それほどゴボウが強くでて珍しい味というわけではないとの感想。  ちなみに温製である。





レンズ豆の冷たいスープとホタテ貝のムース


レンズ豆の冷たいスープ



レンズ豆のスープは初めてなので、かなり期待して注文。 だが、こちらもレンズ豆が強く 主張するわけでもなく、後味にかすかに感じ取れる程度である。 こちらは更に印象が薄い。 レンズ豆とホタテ貝との相性も悪くはないのであるが、印象的なものでもない。




メイン
 

本日の子牛腎臓料理




子牛腎臓



料理名は聞かなかったが、なかなか良かった1品。 かなりレアな腎臓である。 色を見ても中はまだフレッシュな赤色である。 であるが、腎臓の臭みもなく ホッコリと食することが出来る。 ただ腎臓の味わいもやや抑え目だったような 気がしないでもないが・・・ ソースの印象もそれほどないが、こちらの火の通し具合は 割合と好きな感じで○。





ひな鶏のロースト サラダ仕立て バルサミコソース




ひな鶏のロースト



こちらも割合と蛋白系な一品。 野菜の歯ごたえはなかなか良いのだが、 やはり野菜の旨みはそれほどないように感じる。 雛鶏は非常に蛋白。 総じて、素材の良さを引き立たせるような作りであることは分かるのだが、 素材自体がそれにふさわしくないとの印象を受けるのだが、どうだろう?  やはりこの値段ではちょっと無理かもしれないが。。。





Wine
 
ワインリスト




グラスワインに力を入れていることは前述したが、今回は夏休みということで ロワールフェア(?)をやっていたようである。 ロワールにはまりかけの私としては かなり嬉しいリストである。(とは言っても全然詳しくないのであるが)   ロワールのグラスワインはざっと20種程度。 600円〜1000円の価格であり、 量もたっぷり目に注いでくれるのはまたまた嬉しい限り。これだけのリストが ありながら、ワインを飲んでいるような客が少ないように見えたのはいかがばかりか。。

さて、食前酒の後に飲んだのはこちらの2種の白。




Savenniere "Becherelle" 
(サヴィニエール ベシュエール) 1996 Ncolas Joly


Vouvray Vigne Blanche "Reserve Privre" 
(ヴーヴレ ヴィーニュ ブランシェ) 1996 Marc Bredif



どちらもなかなか好みの味である。夏にはこんな感じがベスト。  どちらもなかなか知名度の高い生産業者の様であるが。 あの花や蜂蜜の香りが非常に弱い。 シュナンブランが主品種でよいのであろうか? 

Savennieres はロワール右岸にある小さな村で、シュナンブランから評判のいい辛口の白を作っている。 クーレドゥセランとロッシュオーモワンヌが最筆頭との記述がある。 なかなか侮れないロワール地域。 これから注目していきたい。




Sancerre "Grand Cuvee"  1994 Ladoucette

メインに合わせて赤を1杯のみ。 資料によるとサンセールはピノノアールによる 軽い赤とのことであるが、飲んだときにはカベルネフランらしさをしっかり 感じ取っていたのであるが。。。 まあ、いいか。 こちらもかなりしっかりとした 作りで、なかなか好みであった。

一言、ワインのセレクトは好きである。


なお、ワインのセレクトはソムリエに相談することなく、自分で勝手に行ったもの。 かなり時間をかけていたのだから、「なにかお手伝いしましょうか」などのセリフも 聞きたかったと思うが、どうだろう? レストランの良さは単に料理がうまいだけでは ないだろうに。。 


なお、サービスは全般的にこんな調子で終始する。


ぼそぼそと聞こえるか聞こえない程度の声で注文を取り、料理を運ぶ。 ジバランなどではサービスにおける軽妙な会話という記述がありのもそれも楽しみの一つで あったのだが。 


ただし、サービス料はとられていないため、文句は言えないという話しもある。




デザート




最後はデザートかチーズかの選択になり、デザートは別のメニュから選ぶことになる。


デザートメニュ


さて頼んだのはこちらの2品。



いちじくのコンポート アマレット風味



いちじくのコンポート


アマレット酒でいちじくをコンポートしたものに、バニラアイスクリームを添えてある。 またフレンチトーストも一緒に。 味としては普通。




桃のスチュルーデル



桃のスチュルーデル


アップルパイの桃版といってしまうと乱暴か。 それにしてもチョコとの 相性は考えた方がいいと思うのだが、どうだろう? アイスはミントで 桃とミントの相性はいいようである。 以前他のレストランでもデザート で同じ組み合わせを食したことがあったことを思い出させるほどに。







総評




全体を通してみると、料理が少し弱い気がするが、サービス料を取られない (ディナーは未確認)、グラスワインの充実(夏限定)などを考えると また行きたくなる気もする。 特にカウンターに陣取りのんびりと ワインを飲みながら、料理が作られるのを見るのは、このような趣味をもつものに とってかけがえのない楽しみとなるのではないだろうか? 


勘定も頭でざっくり計算した額より低かったのは珍しい、そのため割安感も強い。

また、サービスの一層の向上を望めれれば、何も言えないのではないだろうか?

実際、一人の客がカウンターに座り、ざっとコースを取って食べられるというのは貴重 と思えるのだが。