「ル・クープシュー」   ★★★○  2000. 10






入店




Kodaira さんご夫妻にご招待をうけてのお食事会である。ディナーにて。

コースはもちろんおまかせである。 そして、もちろん「顔」があるからである。

以上(笑)。 


お店が暗めなので、写真が不鮮明ですがご了承ください。




注文





食前酒
 

ローランペリエ 1993


ローランペリエ


以前のNVの苦手な味わいを思い出して、大丈夫か?と思ったが、意外や意外。 なかなか美味(好み)である。 しっかりとした味わい。 食事を通して楽しめるような感じで非常によいバランス。 酸とイースト香とコク、甘み。

ぐびぐび飲んでしまう危険なシャンパンである。




前菜
 

マグロと栗のサラダ


まぐろ


栗はマヨネーズとマスタード(そういうニュアンスを感じたが気のせいか?)に あえて、やや栗の甘みとコクが合わさってまずまず。 マグロのドレッシングとして楽しめる。なかなか面白い。 

マグロは周辺だけ焼いて、たたき風な感じにしてある。 赤身の部分を使い、これはこれでいいのであるが、上記栗との相性に やや疑問点を感じないでもない。 マグロ自体に塩分がないせいか、 たっぷりと上記のソースをつけて。 




的鯛とキノコの紙包み焼き

きのこ  きのこ


キノコは私のリクエストに応えてくださった物。 紙を破る前から香ばしい香りが漂ってくる。

そして、パリパリと紙を破る音は、中を空ける瞬間 の期待感をさらに高めてくれる役割を持つ。


中のキノコは名前不明なものが多いが、どこかで見たことはあるというもの。 かなりしゃきしゃきとした歯ごたえが楽しめ、香りもグッド。 もちろん味もよいのであるが、この香りと キノコの歯ごたえ、そして、下に貯まったスープが特に○





エビのガレット イカ墨のリゾット


リゾット


今回の中であまり印象に残らなかった一品。 ガレットは一見ジャガイモしかないように思うのであるが、 香りはエビである。 食べてみるとたしかにエビの味がしっかりと。これは面白い。 

リゾットのイカ墨はあまり甘みなど主張せず、かなり控えめ。 見た目はあまり黒くないので、本当にイカ墨なの?と思ってしまったが、 食べてみて納得。イカ墨のリゾットでした。 エビとの相性を考慮した物であろうか? イカ墨ばかりが強くても どうかと思うが、ちょっと弱すぎる印象も。

下に敷かれてあった白い物も、あれよ、あれよ、と気が付いたら 食べきってしまっており、あまり主張する物がない。

欲を言えば、ガレットの歯ごたえとリゾットの米の歯ごたえ、 エビとイカ墨(合うか?)などの対照の妙を楽しませてくれて もいいのではないだろうか?



スープ
 

トマトのスープ


トマトのスープ


ありきたりではあるが、こちら美味である。酸味と甘みのバランスが 高次元で整っていて好印象。



野菜のスープ


野菜のスープ


味としては自宅で作るポトフの延長線上にある印象でやや心ときめかず。 もちろん味はこちらが上であるが、やはり手をのばせば届きそうな 感じはレストランとしてはちょっと寂しい。

(実際はこれが届かないのかもしれないが)



メイン
 

ブイヤベース

ブイヤベース  ルイユ


もちろん料理として奇をてらったものではないが、こちらも美味である。 ルイユを溶かして飲むスープはやはり絶妙である。


海鮮の身は。。。わはっはは。この値段では無理。  パンにたっぷりと汁をひたして楽しめるこちらは好印象。




洋なしとポルトのソース 鳩のロースト(?) フォアグラのソテー


鳩


いつもメインの肉を食べる頃には、満腹度80%でしっかりした作りのものはあまり 好印象になりにくい。 であるが、この鳩。上に乗っている脚の部分はなかなか美味。

特に、印象に残っているのは 洋なし なかなか美味。 酸味と甘みが混じり、 ソースとの相性は抜群。。。って何を食べているんじゃ!! もちろんフォアグラのソテーとの相性は○!

ただ、鳩は特有の「くせ」が少なくもの足りない感じ。 香港の鳩は しっかり味がするのであるが、やはり素材の違いであろうか??




ワイン
 

シャンボールミュジニー Comte George de Vogue 1996


シャンボールミュジニー


赤。 96というブルゴーニュはなかなか良い年。 こちらの村名はぼちぼちというでしょう、と いうことで。。。 初めての作り手。 コストパフォーマンスに疑問を感じてしまいがちな 価格付けでなかなか手が出にくい作り手である。 

さて、こちら、十分美味しく頂ける感じになっている。特に食事との相性はなかなかである。 抜栓当初は樽香というかバニラ香が著しかったが、数分の後に消えて、しっかりしたブルゴーニュへ と変貌した。




デザート
 

キャラメルアイスクリーム


キャラメルアイスクリーム


前回味見させていただいたデザートが徐々に変化していったものだそうだ。 もちろん kodaira さん仕様である(笑)。

最初に食べたものと大きく違う印象。 あまりはっきりした記憶はないのであるが、もっと 甘みと酒と苦みが強かった気がする。 下にガトーショコラが薄くひかれ(前はもっと厚かった) 上にはたっぷりなキャラメルアイスクリーム。 嫁さんにはいいようであるが、私には ちょっと弱い。 もっと濃いもの(甘さ、苦さなど)を欲しい感じである。









総評




いつもながらに頭が上がらないご夫妻である。

楽しい会話、美味しい食事。 そして食事にあうワイン。
それ以上の何を望もうか?


もちろん全てが最上というわけではない、が、コストパフォーマンスを 考えれば、非常に立派である。


料理は特徴的な香りをしっかり楽しめ、味としても充分美味しいものが頂くことができる。 評価は前回と同じ3つ半としたが前回のほうが料理は楽しむことができたかな・・・・?  というところ。