「越後 叶家」   ★★★  2001. 10






入店



義両親より急遽お誘いにて。 何でも新聞広告を見て行きたくなったとのこと。 ごちそうしていただきました。


当初、店の名前も場所もはっきりせず、検索してみるとどうやら支店を何店舗か 持つそこそこの店(?)らしい。 しかし、なんと言っても気になるのが「そば」

店は築地本願寺の脇あたり、大通りからちょっとはずれて静かで落ち着いた感じの お店でした。 行く前まではオヤジとかがたばこふかして、騒いでいたらいやだなぁ〜と 思ったのですが、行ってみると全然そんなことのない静かな雰囲気。 (土曜と言うこともあるのでしょうか?)


テーブル


まずはビールと・・・・オリジナルの地ビールとある。 さっそくこれをチョイス。 軽めの風味であるが、適度の冷やし加減とアフターに広がるフルーティな香りが特徴的。  なかなか好みのテイストでスタートの1杯にはちょうど良い。




注文





突き出し
 

突き出し


突き出し 



緊張の突き出し。 これでその店の全てが決まるといってよい。 これがダメで後が良かったためしがない。 

青菜とエノキを煮たもの・・・?

しゃきしゃきした青菜の歯ごたえと茸の歯ごたえが対照的でまた出汁の味が 楽しめる。 お酒に合いそうで、まずまずのスタート。




つまみ
 

氷頭なます


氷頭なます  氷頭なます



私のセレクション。 食べたことが無かったので・・・・ ^^);

よく鮭の頭が丸ごと出てくるのを見ていたが、一体どんなものかと。 小鉢に盛られたやや透明な、見た目ゼラチンのような風貌をしたそれは、 こりこりとした食感と出汁に浸かった大根下ろしを一緒に食べると、まずまずな 1品。 酸味もあり、さっぱりとこれもお酒が進みますね。

しっかり器も冷やされて供され、その丁寧な仕事ぶりが好感。 以後、同じ





茸の炭火焼き


茸の炭火焼き



店に入ったときから、ほのかに香ばしい香りが広がっているとおもったら、 他のお客が食べていたこちらの料理のせい。

やっぱり食べてみたいよね、ということで。 ひらたけ、しいたけ、白まいたけ。 塩とスダチで。 焼いているときの香りは炭火焼きならではのもの。 焼くとかなり縮んでしまう茸であるが、 もともと肉厚なもので噛んだときのしっかりした歯ごたえと味・香りなどは秋の味覚そのもの。

炭火だと火の当たりがやわらかなのか、じんわりと焼けた茸は軽く水分が抜けて香りとうま味が いい感じに引き出されている。塩もほのかに甘くて茸に合う。 さっぱりとしみじみとうまい。 これは家でもやってみたい。




戻りかつおの自然薯和え?


戻りかつおの自然薯



たっぷりと脂ののった戻り鰹と自然薯をあえて、貝割れ大根(赤い)やシソ(?)等の薬味と一緒に。 自然薯はすり下ろしではなく、軽くたたいた感じでしゃくしゃくとした食感がよい。
自然薯のこくと、かいわれのしゃきしゃき感と相まって、なかなかいける。

なお、このお店、自然薯だけでもそこそこの品揃えで自然薯好きにはたまらない。





ビッグ油揚げの素焼き


ビッグ油揚げの素焼き



料理名を忘れたので適当に。 かなり大きめな油揚げを焼いてその上にネギ・ショウガなどを たっぷり載せた物。 行くまではたかが油揚げを焼いた物だろう!? といって はばからなかったのであるが、結構美味しくて・・・・・
油揚げというよりは厚揚げの様な感じで、中はふっくら、外はさっくりと仕上がっている。しかしこの油揚げ、 20cm X 8cm X 2cm位の大物で、2人で食べるのはちょっと大変。今回4人でたっぷり楽しめた。
なお、このお店、豆腐にも力を入れていて、料理法というより厚揚げ自体にうま味が強い。





比内鶏とネギと比内鳥団子鍋


鍋



味としてはもちろん想像の域をでるものではないが、やはり比内地鶏のこの堅さ と噛みしめると滋味があふれる所などは好み。 あまり量はないが一人前で950円(たしか) という値段を考えたら、お買い得でしょう??
ただ、比内鶏の高価さを知っていると、本当にこの値段? と聞きたくはなるが・・・・

鍋の中には比内地鶏のもも肉、挽肉団子、ネギ、まいたけが入っており、テーブルに出される時には既に食べ頃になってくる。 あさつきがたっぷりと入ったポン酢醤油でいただく。このポン酢もおそらく自家製と思われる、美味しいもの。




おぼろ豆腐


おぼろ豆腐



今回のベスト2。 豆腐というより大豆のうま味しっかり。 これが豆腐だったのね? という感じでかなり甘さを感じる。

豆腐もその周りにそそがれている豆乳も、とってもまろやか。一緒に出された醤油はテーブルにおいてある物とは別物で、 出汁で割ってあるように感じた。さらさらとしていて色も薄く、それ程しょっぱくはない。 ただあまり醤油を入れなくてもしっかり美味しいので、ほどほどに。。。 豆乳まで飲み干しました。



のっぺい汁


のっぺい汁



有名な汁物だそうで。 やはり食べてみたくて。

越後というより広域に渡り似たものがあちこちにあるそうですが。 これは冷やして 供されており、上品な野菜の煮付けといった感じ。 汁は少な目。
里芋、人参、牛蒡、姫タケノコ、昆布など、いろいろな野菜がころころと入っている。

特徴はないが、しみじみと酒に合わせたい感じ。 上には火が通り白っぽくなったいくらが。 歯ごたえが特徴的でしたが・・・





湯葉と豆腐とエビのあんかけ


湯葉と豆腐とエビのあんかけ  湯葉と豆腐とエビのあんかけ 



最後に何げに頼んだら、結構好みで。 

湯葉の歯ごたえとあんかけのうま味、エビのぷりぷり感といい、 しっかり好みの私にはぴったし。 甘じょっぱいあんかけはしっかりとした出汁のうま味があり、上に散らされている柚子とのハーモニーがいい。
取り分けた自分の小鉢に入っているあんも、残さず食べてしまった。。



久保田6種


久保田飲み比べ



何でも久保田6種それぞれ50mlで2000円のセット。

味見させてもらったが、なかなか面白い。 特にやはり高い物はうまい(笑)
安いのは何度か飲んだことがあったので、あまり期待していなかったのですが、 高価で取引される訳が分かるような気もします。(ただ高すぎるけど)

他に2合ほど飲みました。 銘柄失念(たしか吉田町の純米吟醸だったかな)。 




へぎそば


へぎそば



ややお酒に酔っていたので味覚に自信がありませんが・・・・・

   おいしかった。


そばが来たら、撮影を忘れてアッと言う間に食べ尽くしてしまいました。 越後の名物である「へぎそば」は布海苔を練り混んだそばで、 つるりとしているがやや固めの食感のそば。色は布海苔の色なのかちょっぴり薄緑。「へぎ」と呼ばれる器に小さく食べやすく 盛られる姿は見たこともあるでしょう。。。

写真の器は、3〜4人前2000円。 また1人前の自然薯そば(1200円)も秀逸。

特にこの自然薯そばが美味しかった。。。

そばつゆは幾分甘みを感じる濃いめのつゆで、好みの味だった。最後にそば湯を頼んでつゆも全部いただきました。






総評



美味しかったのではないでしょうか? あまり大食ではありませんが、以上のものを食べて一人 4000円ちょっと。 安いですねぇ〜 CPに満ち満ちたお店でありました。
今回はメニューのおすすめ料理を中心に注文しましたが、どれを食べても素材の良さと、調理の丁寧さを感じ、素直に美味しいと思いました。 おそらくおすすめ意外の料理も良い物と思えます。
雰囲気も非常に静かで、この価格帯のお店としたら、非常に立派な接客と味。 是非、また行きたい感じ。 特にそばが・・・・・